「食べられないものを食べてしまう?」
認知症の方へのごはん、何に気を付けたらいいでしょうか。
それは「食べられないものを入れないこと」です。
認知症といっても症状は様々です。初めの頃は魚の骨を口の中で分けて出すことも出来ますし、お弁当のバラン(仕切りに使われるビニール製の草)が食べられないものだとわかっています。進行とともにそういうことが分からなくなるのが認知症です。
私の母は認知症が軽度の頃、食事に関して困ることがほとんどありませんでした。自力で食べられるし、魚の骨も上手によけられていました。会話も出来、入浴やトイレも自立していました。そんなレベルの時に突然バランを食べてしまいました。幸いなことに私が一緒に食事をしていたので飲み込まずに済みましたが。
認知症って、切れかけの蛍光灯のようだと私は思っています。
少しずつ明るさが落ちていって、消えたかなと思うと付いたり、それまで付いていたのにチカチカしたり、チカチカしながら付いたり消えたり。電球のようにパチっと切れないんですよね。
母がバランを食べてしまって以来、食べられないものを食事に入れなくなりました。魚の骨が無い切り身を使い、あれば取り除きました。買ったお弁当を食べる時はバランやアルミカップを外してから母に渡しました。
それからしばらく経つと、スープをお箸で食べようとしたり、ケーキを見たらお箸を用意したりする場面が見られるようになりました。その話はまた別の機会に。